誰にでも言える秘密の話

東京 大学生 文学部 20歳 男 短歌、エッセイ、小説、詩

どこまでも青い自分とどこまでも赤いあいつ

人生の転換期は高校二年だったと思う。

 

自分の意思で東京へ行き、学生団体を作り、初めての彼女が出来た。

 

この字面だけ見てもやはり高校二年生の時の密度は濃い。しかしその中でも1番の比率はやはり学生団体だった気がする。

 

学生団体を作った時の友人とは中学校1年生の時からの出会いだった。

いや友人というのは少し違う気がする。友人という言葉にするには私の心中は複雑で、そして私は中学一年生の時から彼のことが嫌いだ。

 

中学校1年の最初の授業、学級委員長と副学級委員長を決めることになった。

何故自分が立候補したのかは忘れたが副学級委員長になっていた。

その時の学級委員長が彼だった。

彼は当初からいけ好かない奴だった。灘落ちの事を自慢して、どうしようもない虚言癖だった。

しかし彼とそれなりの仲だったのは、やはり私も虚言癖だったからだろう。

 

貶めすぎたので肩を持ってやると彼の独創性とカリスマ性は素晴らしかった。彼は人に希望を与えるのが得意だった。未来を見せるのが得意だった。熱血的な奴だった。自分で未来を切り開いていきたいというハングリーさがあった。

 

だから彼と作った学生団体が、気がついたら彼を教祖とする新興宗教になっても仕方がなかったのかもしれない。

 

恐らくこの時から、私の逆行思考が始まったと思う。とにかく焦っていた。彼の一言で全てが動く仕組みというのが怖かった。そしてその通りに自分が動くのが嫌だった。だからとりあえず彼の意見に反対してみてから理由を考えるということをしていた。そうすることで暴走気味だった団体の歩みを正常に戻し、活発な意見を言えるようになると思ったからだ。

 

 

彼は東京大学文科二類に落ちて慶應義塾大学経済学部で女を食う生活をしているらしい。

 

でも彼はそんなことでくよくよ悩んだりしないのだろう。彼はどこまでも赤いから。彼の目は死んでないから。いつも血走った目で価値を探すから。

 

 

そんな真っ赤な炎が本当に大嫌いだ。