誰にでも言える秘密の話

東京 大学生 文学部 20歳 男 短歌、エッセイ、小説、詩

音楽性の乏しい雲に

初めて買ったアルバムはBUMP OF CHICKENの『COSMONAUT』だった。

 

そりゃもう狂ったように聞いた。私の中学はとにかく娯楽がなかった。ヘッドホンから流れる音が私の青春の全てで、その音をループしながら月日は経った。

 

それから少しずつCDが増えていった。大抵はBUMP OF CHICKENだったがSEKAI NO OWARIRADWIMPS、後輩とアルバムを貸し借りしながら、amazarashi、サカナクション、KIRINJI、My Hair is Badを経由しながら不可思議wonder boy…

 

間違いがない。あの頃は聴くもの全てが音楽で見るもの全てが音楽だった。寮に帰るとどこかの部屋で必ず音楽がなっていた。大抵はドラムとギターが、鳴っていた。

 

大学生になってからアルバムからサブスクに変わった。ここから明らかに音楽の受容の仕方が変わってしまった。昔はCDを借りるとアルバムを舐め回すように何回も聞いた。キャッチャーな曲もそうでない曲も同じように愛した。あの頃は音楽ってのは見出すものだと思ってた。

 

今はどうだろう。いつの間にかアルバムをダウンロードするのはやめていた。キャッチーな曲を、有名な曲を、他人が好きな一曲を聞く日々に。あれだけ好きだったBUMP OF CHICKENも聞いたことないアルバムが2枚増えていた。

 

高校の頃はいつだって音楽が鳴っていた。シャワールームで目を閉じて坊主頭を洗う時、耳にこびりついて離れない音楽。

 

 

詰まる所、私は音楽をいつの間にか上っ面だけを消費する毎日になっていた。私が悪い?それともサブスクが悪い?

 

Non 全ては音楽性の乏しい景色が悪い。