誰にでも言える秘密の話

東京 大学生 文学部 20歳 男 短歌、エッセイ、小説、詩

残念ながら今回の選考に関しましては

「きっと何者にもなれないお前達に告げる」

 

7月の暑さに目を背けながら家で1人ゲームをしていると幻聴のような言葉が聞こえてきた。この言葉を聞くのは、二回目。

 

一回目は2018年、夏。

ちょうど受験生だった夏。受験勉強を絶対指定校推薦でいけるからとタカをくくって遊んでばかりいた7月。

幾原邦彦監督の『輪るピングドラム』に出てくる登場人物が高らかに断罪するかのように告げた。

 

「きっと何者にもなれないお前達に告げる」

 

宝石のような言葉だった。ずっと心の奥底で置いておきたかった。

棘のような言葉だった。今でも幻聴のように僕を蝕んでいく

 

僕は最初、何者になりたかったのだろう。

 

はやみねかおるになりたかったし細田守になりたかったし朝井リョウになりたかった。

 

その全員に目を背けて僕は生きている。

 

文学部にきたら劣等感の塊だ。辛いしキモいし死んで欲しい。

 

それでも生きてるのは自分は何者にもなれないと明確にわかったからだ。

 

自分にしかなれない。自分にしかなれない。自分にしかなれない。自分にしかなれない。自分にしかなれない。自分にしかなれない。自分にしかなれない。自分にしかなれない。自分にしかなれない。自分にしかなれない。

 

 

 

うるせえと告げた言葉は笑ってて、ありがとうと心で告げる言葉を泣いていた。

 

今までの憧れだった人達に、さよならを告げて相対するのは、172cm54kg、資格英検2級のみの僕。何もなしとげたことは無く、身長以上の劣等感。

 

それを抱いて生きていく。

劣等感に持ち手なんて無いから持つのは異様に疲れるもので、時折休憩を挟んで、その時にだけ歩いた道筋を振り返り、

 

 

就活は結局自分の決別らしいね。