僕の人生は幸せに向かって歩いている
これは誰かに対してのメッセージ
独白でもなくメッセージなので一人称は僕でもいいだろう。
人生で辛かったのはいつだろう。実はもう一人兄がいて僕が産まれる前に死んでいたと知った時だろうか、母親が新興宗教にハマって経典を体を巻きつけて祈っているのを見た時だろうか。それとも母親が思わず「子供は2人欲しかった」と口を滑らせて僕が単なる兄のスペアだと知った時だろうか。
分からない。
分からないけど、兄の代理で産まれてしまったという事実は僕にとっての地獄であった。
人には人の地獄がある。
あのみんなが1度は目にしたことがあるだろう有名な、でもみんなが見るだけ特に何も思わないだろうゲルニカで私は目にすることになる。
それは阿鼻叫喚の地獄絵図の中央に咲いている一輪の花であった。
それを「ピカソはこれに未来への期待、平和への願いを込めたのだ」と講釈のように言うことは可能だ。
だけどそれ以上に痛烈に感じたのは、地獄でも幸せがある。ということであった。
僕の人生は僕の地獄で彩られている。
様々な悲しみ、辛さ、痛みで体を傷つける。
しかし、僕は歩くのだ。
僕の地獄に咲く一輪の花を見つけるために。
僕は信じたい。
僕の人生は幸せに向かって歩いている、と。